「那岐ーご飯できたから風早起こしてきてー」

「えー…やだよ。面倒くさい」







++


朝のひととき


++







「あー…どうしてこうなるんだろう」


千尋に頼まれて、渋々、風早の部屋への階段をあがりながら僕はそうぼやく。


「全く…教師のクセに生徒より遅く起きるってどうなんだよ…」
ぼやきながらも、風早の部屋の扉を開ける。


「風早ー。メシだって。起きて。」

そう言って扉を開けると、まだベッドの中ですやすやと熟睡している風早が見えた。
僕は、ベッドのほうへ近づくと、もう一度声をかける。

「風早。」

返事はない。
気持ちよさそうな寝息が聞こえるばかりだ。


「まったく…。」

僕はため息をつくと、風早の布団をはがす。


「んんー…」
少し寒そうにしながらも、まだ風早は起きようとしない。


「風早!!起きろって」

もう一度、少し大きな声でそう言うと、風早はようやく目を開ける。



「んー…那岐…?」
「いつまで寝てる気だ。教師のクセに」

呆れてそう言うと、風早は僕のほうとは反対に寝返りを打つ。
…そしてまた寝息を立て始めた。


「…おい。まだ寝るのかよ」
「昨日遅くまで…採点してて…眠いんですぅ…」

だだをこねるようにそう言う風早。
しかし、起きてもらわない訳にはいかない。


「そんな事言ったってしょーがないだろ。ほら、起きろっつの」


僕が風早の体をゆすると、風早は「うぅー」と声をあげる。
そして、僕のほうを見ると、とんでもないことを言い出した。




「那岐がキスしてくれたら起きてもいいですよ。」




「は?」



予想外の言葉に、僕は一瞬固まる。
風早は、僕のほうをじーっと見つめている。


(この野郎…っ全然起きてんじゃねーか!!!)



「朝っぱらから何言ってんの。この変態教師。」
「してくれないんですか…?」

少し寂しそうに言う風早。
だが、そんな顔をしたって無駄だ。

「する訳ないだろ」
「じゃあ起きません」
「うわ。ちょっと待てって。」


風早は、再び布団をかぶって寝ようとする
…のかと思われたが、いきなり僕の腕をつかむ。

「な…っ」

腕をつかまれたかと思ったら、そのまま引っ張られて、布団に引きずりこまれる。


「ちょ…っなに…」


その瞬間、
静止の言葉をかけようと思った僕の口が、風早の唇によってふさがれる。


「ん…んんっ」

無理矢理風早を引き剥がすと、僕は慌てて布団を出る。



「いきなり何すんだこの変態!!」

風早は僕のほうを見ると満面の笑顔を浮かべる。
正直、かなり気持ち悪い。

「ご馳走様でした」


微笑みながらそう言うと、約束でしたから、と言って風早は布団を出る。
僕はもう抗議する気も失せて、ため息をつく。


「全く……早く下りてこないと、千尋怒るよ」



そうとだけ言って、僕は部屋を出ようとする。


「あ、待ってください那岐」
「…?」

そう言って風早は僕の近くに顔を寄せる。

「ちょ…っ近…」

「続きは、今日の夜ね」


僕の耳元で風早はそう囁く。

その意味を理解して、僕は自分の顔が赤くなるのを感じた。



「さ、早く行かないと千尋に怒られてしまいます」


風早は、さっき僕が言ったのと全く同じことを言う。
呆然としていた僕は、その言葉で我に返り、部屋を出ようとする風早を追いかけた。




「ちょ…ちょっと待て!!!やらないからな!!!」





ある朝の、さわやかな(?)ひととき。








~Fin~









::あとがき::
昨日に引き続き、なんか創作意欲がわいたので(笑
本当に、衝動的に、気ままに書いてしまった…orz
酷すぎる。
とにかく、キスと照れる那岐が書きたかったのです。
それだけなのです。
スミマセン。