あなたに、伝わるといい。
この気持ちが。
このぬくもりが。
暖かさ
「…柊。」
「なんですか?」
「…この手はなんだ。」
天鳥船の回廊。
忍人の頭の上に手を乗せて微笑んでいる柊の姿があった。
「おや。わかりませんか?」
呆れたように言う忍人に、柊はとぼけてそう言う。
「わからない。…何がしたい?」
「いえ…忍人も大きくなったと思いましてね」
柊は、少し苦笑混じりで言う。
「初めて会った頃はあんなに小さかったというのに…」
「少し黙っていろ。斬られたいのか貴様。」
柊の言葉に、一気に不機嫌になった忍人がそう言う。
「大体なんだというんだ今更。」
もっともな質問である
別に久しぶりに会ったわけでもなく、そんなことを言われるのは不自然である
「おや…気づいていないのですか?」
「…なんの話だ」
柊は、少し驚き顔で言う。
だが忍人は本当にわからないらしく、それによって更に不機嫌そうに眉をひそめ
る。
「そうですか…。まぁ…そのうちわかるでしょう」
柊はそう言って笑うと、忍人の頭から手をはなし、その場から立ち去る。
「…?一体何だというんだあいつは…。」
1人回廊にのこされた忍人は、訳がわからない、と浅くため息をついた。
***
「…今度はなんだ。」
再び、忍人は不機嫌そうに尋ねる。
「何って…わかりませんか?花です。」
柊は、忍人に向かって花を差し出す
「それはわかる。俺が聞いているのはその理由だ。」
忍人は、本日何度目かになる、ため息をついてそう言う。
「理由…そうですねぇ……やはり贈り物は花だと思ったからですね。」
「贈り…物?」
その瞬間、忍人の顔がひきつった
「…何が目的だ。一体何がしたい?」
柊が自分に贈り物だなんておかしすぎる
何か魂胆があるに違いない
忍人はそう思って柊を睨む。
「魂胆だなんてそんな…。ただあなたに贈り物をしたかっただけですよ」
柊はそう言って微笑む。
だが忍人はまだ納得していないらしく、怪訝そうな顔をしている
「…お前、おかしいのはいつもだが…今日は輪をかけておかしいぞ。何があった
?」
忍人がそう真剣に尋ねると、柊は可笑しそうにくすくすと笑い始めた
「何だ!?何がおかしい!」
「…忍人、まだ気づきませんか?」
笑いながら、柊は忍人を見てそう尋ねる。
だが、忍人には覚えがない。
(一体何に気づいていないのというのか…)
「全く…本当に自分のことに興味がないというか…。まぁ、忍人らしいですがね
」
柊はそう言って再び笑う。
「今日は何日かわかりますか?」
「何を言っている。今日は…12月21日だろう」
日付を言って、忍人ははっとする
「ようやくわかりましたか?」
柊は微笑んでそう言うと、忍人の頬に触れ、そっと撫でる。
「お誕生日おめでとうございます…忍人」
「お前…」
柊が優しく言うと、忍人は驚いた顔になる。
「お前…よく覚えていたな。」
(本人さえ忘れていたものを…)
「忘れるわけありませんよ。忍人のことですから。」
柊はそう言って優しく忍人を抱きしめる。
「…っ!!調子にのるな!」
「いいでしょう?たまには。」
柊はそう言って忍人の頭を撫でる。
「……まぁ、少しだけなら。」
「……ありがとうございます」
**
この暖かさが嬉しい。
久しく、忘れていた気がする
このぬくもりを、くれる人がいること。
忘れていた、大切なもの
ここで、一緒にいれば、ずっと感じることができるだろうか。
この暖かさを…
*言い訳*
HAPPY BIRTH DAY おっしー!!
ギリギリ今日書き上げました。
電車のなかでポチポチ打ってました(←恥ずかしい奴
友達に聞いた所、柊とだったらおもしろそうだよねってことで、
柊×忍人です。
あんまおもしろくなくなったけど(汗
フリー配布なんで、煮るなり焼くなりご自由にドウゾ。
もし良かったら報告してくだせぇ♪