いつの間にか、
こんなに時がたっていたんだね。







Days..







「那岐!ちょっと待って!」

9月15日。
僕の誕生日パーティーが大方終わり、部屋を出て廻廊を歩いていると、後ろから
千尋が追いかけてきた。


「……何?」

立ち止まって何かと尋ねる。


「これ!渡してなかったから!」


千尋はポケットから一つの包みを取り出すと、僕に差し出す。


「プレゼント!」

千尋がプレゼントをくれるのも、毎年のこと。

特に驚きもせずに受け取ると、千尋はうれしそうに笑った。


「……開けていいの?」

「うん!」

包みを広げると、そこには勾玉のペンダントがあった。
しかもなんか形が歪な…

「…もしかしてコレ、千尋が作った?」

「……あぁ…やっぱりわかっちゃうよね…。形が歪だもんね…」
千尋は恥ずかしそうに顔を反らす。

「…こっちの世界では何がいいかわかんなくって…
 皆に教えてもらいながらなんとか作ったんだけど…やっぱり変な形になっちゃ
って…
 その…ごめんね?」

そう言って、千尋は顔の前で手を合わせる。

…嬉しくない、訳じゃない。
むしろ、嬉しい。
僕の誕生日のためだけに頑張ってくれた千尋が。
千尋はそういう奴だってわかってはいるけど
すごく、嬉しいんだ。

「いや、……ありがと。」

素直に感謝の言葉を紡ぐと、千尋はぱぁっと顔を明るくさせる。
こういう、単純なところも
…千尋らしくて好きなんだ。

「...ねぇ、千尋。ちょっと、外に出ない?」
「外?どうしたの?」
「いいから。いつもの僕の昼寝スポット。」

そう言って、千尋の手を引っ張る。





「うわぁ…!すごい!ここってこんなに星が綺麗に見えるんだね!」


空を見上げて感激の声をもらす千尋。

うん。こういう反応をすると思った。
だから連れて来たんだ。

ころころと表情を変える千尋は可愛いから。


「ねぇ那岐!」


笑顔で同意を求められる。

「ああ。…そうだね」

素直に同意の言葉を返すと、千尋は嬉しそうに笑ってまた空に目を向ける。


僕が壁に背を預けて座り込むと、千尋も同じように横に座り込む

肩を並べると、ふと気づく。

千尋はこんなに小さかっただろうか、と。


昔は背も同じくらいで、目線も同じくらいだった。

気づかないうちに、こんなに時がたっていたんだと、気づかされる。


千尋と過ごした日々は、短いように感じていたが、すごく長い時間なのだと。



「千尋…?」


肩に重みを感じ、ふと横を見ると、千尋は安らかな寝息をたてていた。

朝からずっとパーティーの準備をしてくれていたみたいだから…疲れたのだろう


「……フツー寝るか?こんな所で…」


そう言って、僕はふっと笑う。

そして先程もらったペンダントを取り出し、眺める。



「……ありがとう。千尋…」


僕はそっと感謝の言葉を口にすると寄りかかってきている千尋の額に唇を落とし
た。





いつの間にかこんなにも時が過ぎていた

君と過ごした暖かい日々。

年月がたってもそれは変わることはなくて

いつまでも暖かい幸せな日々。






-fin-










*あとがき*

9月15日
那岐お誕生日おめでとー!!!

ギリギリセーフ!!なんとか15日中に仕上がりました!
なんだかよくわからない代物に…書いてる自分でさえ何書きたかったのかよくわ
かってません
こんなものでよければ一応フリーなので煮るなり焼くなり…お好きにしてやって
ください。