いつから?
いつからだったか・・
あなたは私を名前で呼ばなくなった。
本当は呼んで欲しいのに・・
変わらない声で・・
優しい声で・・
あの頃のように・・
**
Please Call my name
**
「アスラン?」
突然声をかけられて、アスランはビクッとする。
「あ・・ああ。キラ。」
「どうしたの?ボーッとして。」
「え?」
キラに言われてみて初めて、自分がボーッとしていたことに気づく。
「なんかあった?アスラン、今日は朝から変だよ?」
心配して、キラは尋ねる。
「え?い、いや。何も?」
アスランはそう言うが、キラにはお見通しのようで、
「何もって・・アスラン、僕相手に誤魔化せるとでも思ってるの?」
アスランはため息をつくと、
「わかったよ。」
と言った。
「で?何があったわけ?またカガリ?」
「・・う"・・・」
「図星だね。また喧嘩したの?」
「・・・」
図星をつかれたとばかりにアスランは黙りこくる。
そんなアスランにキラは、苦笑が混じった声で言った。
「何が原因なわけ?」
「・・代名詞で呼ぶなって言われた・・」
「は?」
「だから、代名詞で呼ぶなって・・」
「・・何が言いたいの?」
「俺にもわからん。」
頭にクエスチョンマークを飛ばしているキラに、アスランはそう答えた。
「カガリのこと・・代名詞で呼んだの?」
「いや。普通に"お前"って呼んだだけだけど・・」
「・・それで怒ってるの?カガリ。」
「・・・多分な。でも普通だろ。」
「だよね・・」
***
一方、ヤマト宅では・・
「ラクス!!」
「あら。カガリさん。どうなさいましたの?」
カガリとラクスが話しをしていた。
「しばらくかくまってくれ!!」
「え?」
「家に帰りたくない。」
「カ、カガリさん?一体どうなさったのですか?」
ラクスは戸惑っていた。
いきなりやってきて"かくまってくれ"だ。いくらラクスでも驚く。
ラクスは思い当たるフシを探した。そして、思いついた。
「またアスランと喧嘩でもしたんですの?」
「・・・・」
図星、とばかりに黙りこくるカガリを見て、ラクスは優しく声をかけた。
「何があったんですの?」
「・・名前で呼んでくれないんだ・・」
「・・・アスランが、ですか?」
うつむくカガリに、ラクスは優しく問う。
カガリは静かにうなづく。
「・・前は、"カガリ"って呼んでくれてたのに・・最近は・・」
「最近は?」
名前以外になんという呼び方があるのだろう、とラクスは思った。
カガリは、少し間をおいて、言った。
「・・代名詞でしかよんでくれない・・」
「代名詞?」
「"お前"としか・・・」
突拍子もないカガリの言葉に、ラクスはよくわからない、といった顔で、
「・・それで、カガリさんはどうしてほしいんですの?」
と問う。
カガリは、またうつむき、
「私は・・・」
「カガリさん?」
瞳に涙を少しためて・・
「私は・・名前で・・前みたいに"カガリ"って呼んで欲しい・・っ」
ラクスは、そのとき、カガリの言っていることがやっと理解できた気がした。
大切な人が自分の名前を呼んでくれない・・
カガリはそれが寂しかったのだ。
ラクスもそれは、痛いくらいよくわかっているつもりだった。
キラがフレイ、とそうつぶやくたびに、何度もラクスは傷つけられてきた。
だから―――・・
「なら、それをちゃんとアスランに伝えないといけませんわ。」
ラクスは、いまだうつむき、涙をこぼしているカガリに向かって、やさしく微笑み、こういった。
「ラクス・・・」
顔をあげたカガリに、ラクスはもう一度優しく微笑み、
「私も気持ちはよくわかりますわ。カガリさん。でも、そこで挫けてたらいけません。」
ラクスは一息ついて、そして息を吸って、言った。
「そこで止まって、いじけていても、何もかわりません。だから、前に進みましょう?」
ね?、とラクスは再び微笑んだ。
「ラクス・・」
カガリは、涙をぬぐって微笑んだ。
「私、アスランに逢ってくる。」
そういって、カガリは立ち上がった。
ラクスは唯、優しく見守っていた。
**
ピルルルル・・
キラの携帯が鳴った。
「あれ?電話?・・ラクスからだ。」
キラは嬉しそうに、通話ボタンを押した。
横ではアスランが"お前は単純でいいな"という目で見ている。
「もしもし?」
『あ、キラ。』
「どうしたの?ラクス」
『今、そこにアスランはいらっしゃいますか?」
「え、うん。居るよ。」
『かわってくださいませんか?』
「うん。」
キラは、携帯をアスランに渡した。
「なんだ?」
「かわってくれって。カガリのことじゃないの?」
アスランはギクッとした。
「もしもし?」
『アスランですか?』
「え、はい。そうですけど・・」
俺以外に誰が居る。と内心思いながらも、返事をするアスラン。
「一体どうしたんですか?ラクス。俺に話って・・」
『カガリさんがあなたに会いたがっています。』
アスランの言葉を遮るように、ラクスは強い口調で言った。
「カガリが・・」
『はい。だから・・逢ってあげてください。』
「・・でも・・」
『カガリさんから話があると。』
「・・・・」
電話でのやりとりを聞いていたキラは、無言でアスランの肩に手を置いた。
「キラ・・・?」
キラの顔を見上げるアスラン。その瞳は・・
"はいって言えよ!"と言っていた。(笑
そのキラに恐れをなしたアスランは、
「はい・・わかりました。」
と言った。
『では、今日の夜、ツリーの前に来てください。』
「ああ・・はい。わかりました。」
そこで電話は切れた。
アスランはふぅーとため息をつくと、キラに携帯を返そうと、キラのほうを向いた。
「キラ、携帯・・」
「アスラン。」
「え?」
キラは無表情のままアスランの襟首を掴むと、無言で・・
投げた。
「うわぁっ!」
アスランはマヌケな顔で、地面にしりもちをついた。
「いてぇ・・キラ!なにすんだよ!」
「アスラン!なんで迷ったりしたの!?」
「は?」
キラの突拍子もない言葉に。アスランは首をかしげる。
そしてキラは続ける。
「・・カガリが自分から逢いたいって言って来てるんだよ!?多分謝りたいってことでしょ!?カガリはちゃんとアスランのこと考えて、前に進もうと頑張ってるのに・・アスランはいつまでもいつまでもうじうじうじうじ・・うじ虫になっちゃうよ!!」
(最後のひとことの意味はわからなかったが)
そのキラの言葉にアスランは、はっとした。
自分から・・ということはかなり勇気のいることで、それでもカガリはこのままじゃ前に進めないから、と頑張っている。けど、自分はいつまでもいじけて・・
「バカみたいだな。・・俺。」
アスランがそういうと、キラは笑顔で、
「うん。アスランはバカだよ。うじ虫になってもおかしくないよ」
と、単刀直入に言った。
「・・・・・・(またうじ虫?)」
いつまでもうじ虫にこだわるキラに、アスランはこの日不信感を抱いた。(笑
**
ここは街の中心にある、クリスマスツリーの下。
カガリとの約束の時間がやってきた。
「アスラン!」
向こうからカガリが走ってきた。
「良かった・・来てくれて・・」
カガリは、全速力で走ってきたのだろう。息を切らしてそういった。
「おい。大丈夫か?」
「え、ああ。うん。大丈夫。」
運動不足かなぁ、とカガリは笑った。
「・・・ぇっと・・カガリ・・俺。」
「あ!」
「え?」
いきなり大きな声をあげたカガリに、アスランは驚いた。
「今・・・カガリって・・」
「は?」
「今・・私の名前・・呼んでくれた?」
「え、だってお前、カガリだろ?」
カガリが何を言いたいのか、アスランはよくわからなかった。
カガリは、瞳に少し涙をため、続けた。
「・・私・・最近、アスランが私のこと名前で呼んでくれないから・・」
「カガリ・・?」
「・・っ!寂しかったんだからな!!」
カガリはそう言って、アスランに飛びついた。
「カ・・カガリ!?」
「バカ・・」
カガリは離れようとはしない。
アスランはふぅ、と浅くため息をつき、
「・・バカで悪かったな。カガリ。」
「ほんと、バカだよ・・お前は・・」
アスランは、カガリの背中にそっと片手をまわし、もうひとつの手で未だ泣き止まないカガリの頭を撫でた。
ちらちらと、雪が降っていた・・
「あ・・雪・・」
「ほんとだ。・・そういえば今日はクリスマスだったな。」
「あ、そうだな。忘れてた。」
「んじゃっ!」
「え?」
「このままデートとしゃれこみますか!」
「・・えぇっ!?」
アスランはカガリの手を取り、
「行きましょうか。お姫様?」
カガリはというと、真っ赤になっていた。
「・・・バカ/////」
小声でそういうと、カガリはアスランの腕に抱きついた。
「じゃぁ、どこいく?」
「高級レストラン!!」
「却下。」
「え〜なんでー?」
「金がない。」
「じゃぁフランス料理で我慢してやるよ!」
「無理。」
「えぇー・・アスランのケチ〜」
そんな他愛もない会話をしながら、二人は夜の街に消えていった。
「よかったですわね。仲直りできて。」
「うん。そうだね。」
隠れて様子を伺っていたキラとラクスは、向かい合って笑った。
「じゃぁ、僕たちもいこうか?」
「はいv」
「どこ行きたい?」
「キラの行きたいところへ。」
「僕はラクスの行きたいところでいいよ。」
「そうですか?じゃあ、中華料理が食べたいですわ。」
「え?中華料理?」
「はい。お父様がご健在のころはいつもフランス料理などは食べてましたので。」
「・・・・(金持ちは怖い・・)」
「あら。どうなさいました?キラ。」
「え。ううん。なんでもないよ。じゃぁ行こうか。」
まぁ、安くあがりそうだからいいか、とキラは内心思った。
そして、二人の影も、夜の街の中へと消えていった・・・
**
「カガリ。」
「ん?」
「これ。」
「え?・・アスランこれ・・」
「さっき見つけたから買っといた、カガリに似合いそうだと思って。」
「ちょっと待てよ!高級レストランは無理でこれはいいのかよ。」
「ま、まぁ、そこらへんは・・」
「ま、いっか。」
二人は顔を見合わせて笑った。
「カガリ。」
「ん?」
「Merry Christmas!」
〜Fin〜
**あとがき的言い訳**
やぁっとできました!クルスマスフリー!!
これを書くのに何時間かけてんだよって感じですよ。まったく。
初めてアスカガに挑戦しました。
なにやらよくわからない内容になってしまいましたね。
題名の「Call my name」は、私の大好きな歌からとりました。
『PROJECT ARMS』っていうアニメのEDです。ちょっとグロイですが、おもしろいですよvv
けど・・結局なにが言いたかったのかわかりませんね。キラのうじ虫がちょっと自分的にうけました。(笑
というか・・キラファンの方、すみません。私の小説ではなんかいつもキラがおかしいです!バカです!すみません。。
一応フリーですので、ご自由にお持ち帰りください。その際、掲示板にカキコなどしていただけると、とってもうれしいです。
では、皆さんにも幸せが訪れますように・・vv