大切だから・・

だからすごく不安になる。

けど、

あなたはいつも"大丈夫だよ"と微笑う。

だから、安心する。

あなたは嘘はつかないから。

そんなあなたの傍にいるのが、

私の望みです。

いつもいつも・・

大好きだよ―――・・・

****

〜I hope... 〜

****


「ねぇ!ねぇ!甲洋ってば!!」
「・・・え?」
甲洋は、に呼ばれ、はっと我に返った。

「ちょっと訊いてた!?」
「あ、ごめん。訊いてなかった。」
「ちょっとーいつもボーッとしてるくせ止めてよね!」
「だって、ボーッとしてる時間が長かったもんだから・・」
「その言い訳は聞き飽きた!!」
「・・・いや。ほんとのことなんだってば。」

日常会話。
これは当たり前の光景。
しかし、彼女達は知っていた。
この島が、"あたりまえの光景"ではなくなったときのことを。
それはほんの数年前の話である。
甲洋が"ボーッとしてる時間が長かった"という理由もそこにあった。
もちろん、はそのことを知っている。

「・・すごいよねー・・」
「何が?」
「甲洋。」
「は?」
突然すごい、と言われ、甲洋は訳がわからない、といった顔をする。

「俺の何がすごいって?」
「・・・・言わない。」
「は!?」
「・・・着いてからね。」

今二人は、墓地へと向かっている。
そう。翔子や蔵前の墓参りに。

3年前の今日、最後の戦いが、終わった。

たくさんの犠牲が出た。
そして、また平和を勝ち取った。
今日は、そんな日だ。

しばらく二人は無言で歩き、そして、足を止めた。

はしゃがみこみ、微笑った。

「・・久しぶりだね。翔子。」
そう言って、花を供えた。
「・・元気してるか?翔子。」
甲洋もまた、しゃがみこみ、微笑った。
そして二人は、手をあわせた。

***

「・・そろそろ、帰るか。」
しばらくして、甲洋が口を開いた。
「そうだね。」
「また来るよ。翔子。」
そう言って、ふたりは立ち上がる。

そして、振り返り、歩き始める。

「ねぇ。甲洋。」
「何?」
「・・翔子のこと、まだ好き?」
「な・・っ!」

突拍子もないの言葉に、甲洋は、頬をすこし紅潮させる。

「正直に言って良いよ。」
「・・・・」
甲洋は黙りこくる。
しばらく、そのまま時間が過ぎた。

そして、決断したかのように、甲洋はゆっくり息を吐いた。

「・・・・好きだよ」

その言葉に、は、作った笑顔で、笑った。

「・・正直でよろしい。」

そう言うと、は顔をうつむかせる。

「でも・・・」
甲洋が、口を開く。

「・・・みんなのことも、好きだよ。」

「え・・?」

よくわからない甲洋の言動に、は顔をあげる。

「・・・一騎や総士に、剣司と咲良、それから、遠見にカノン。・・みんな好きだよ。翔子に対する"好き"も、それと一緒だ。」
「それって・・・」

予想しなかった甲洋の答えに、は驚きの表情をしたままだ。

「・・・・だけど。」
「・・・だけど・・?」

甲洋は大きく、ゆっくり息を吸い、吐く。
そして、言った。


「・・に対する"好き"はちょっと違うかな?」


甲洋は、微笑った。

「・・甲洋・・」




「好きだよ。。」




甲洋は、すごく優しい表情になった。
そして、次の瞬間、顔を紅潮させた。

ポタッ・・

の瞳から涙が零れ落ちた。

・・?」
「馬鹿。」

「え。」

「言うのが・・・遅いわよ・・・っ」

ガバッ!
は、甲洋に、飛びついた。

・・」

「私も・・・私も・・好きだよ。甲洋・・・」

甲洋は、飛びついてきたを、やさしく抱きしめる。

「ありがとう・・・」


****

やっぱり、少し不安だったんだ。

一緒にいても、

あなたはどこか違う場所にいるみたいで。

でも、

一緒にいてくれるから、

それだけで嬉しい。

嘘をつかないあなただから・・

今の言葉に嘘は含まれてはいないはず。

ううん。嘘でもいい。

そういってくれるだけで、

幸せだから。

傍にいられるだけで、

嬉しいから。

私の望みは―――・・・

それだけだから・・・


***

「ねぇ、甲洋。」

「ん?」

「・・・傍にいてもいい?」

「当たり前だろ?」

「ずっと?」




「ああ。ずっと傍にいるよ。」





                            ==fin==




###言い訳###
ついに書いてしまいました。
甲洋ドリーム。
甲翔が好きだといっときながらこのありさま。
もちろん、甲翔も好きですけど!
でもやっぱり翔子は、一騎を想ってこそ翔子でしょう!と思ったので。
ちなみに私の頭の中では甲洋はあのあと、実は生きてて、1年後くらいに帰ってくるって設定なので。
総士は4年後くらいに。(笑
てか、せっかく墓参りいったのに、衛の墓に参ってませんね。
あ、蔵前も忘れてた。道生さんもじゃん。
まぁ、いいでしょう。(いいのか。
初の甲洋ドリーム、こんなんですみません。
彼、一番好きなのに・・っ!
甲洋ファンの方、本当にすみません。
では、逃げますっ!!