この日を
あなたはなんとも思ってないかもしれないけれど
私にとってこの日は、とても大切な日。
これからもずっと変わらず…
〜変わらぬ愛〜
「また寝てる…」
昼下がり。
那岐は私が思った通り、いつものように天鳥船のお気に入りの場所で昼寝をして
いた。
「那岐ーおきてー」
「んー…?」
ため息混じりに那岐の名を呼ぶと、那岐はかったるそうに目を開けた。
「……何?」
那岐は、寝っ転がったまま、だるそうにそう言う。
全く…今日という日を気にもかけていないようだ。
「那岐とちょっと出掛けようと思って。…だめ?」
「…駄目って言っても連れてくんだろ?」
私の性格を熟知している那岐は、駄目かという質問にそう返す
「まぁね」
私は悪戯っぽく笑ってみせる。
すると、那岐はため息をついてダルそうに立ち上がった。
「…で、どこいくの?」
「風早がね、近くに花畑があるって言ってたんだー」
「花畑……」
あからさまに嫌そうな顔をした那岐を、私は有無を言わせず引っ張って行った。
「うわー綺麗…」
一面にびっしりと咲く花の美しさに、私は感嘆の声をあげた。
「那岐、見てこっち!もう桔梗が咲いてる!!」
私が後ろを向いて那岐を手招きすると、那岐は花を踏まないように気をつけなが
らこちらへ歩いてくる。
こういう所も、彼の優しさだと思う。
「…本当だ。そういやもう秋だっけ」
那岐は気がついたようにそう言って、その花を見る。
「綺麗だねー」
「ああ…そうだな」
那岐が少し、微笑んだ気がした。
「ねぇ、那岐。今日って、何月何日だかわかる?」
私は目を桔梗のほうに向けたまま、横にいる那岐に問う。
「なんだよいきなり。今日は……9月15日…かな。」
自分で日付を口にしても気づかないらしい。
全く、どこまで自分のことに無関心なんだろうか。
「それがどうかしたのか?」
私は、立ち上がって那岐のほうを向く。
「千尋…?何?」
ポケットに手を突っ込み、目的の物を取り出すと、那岐の首にかけてやる。
「何…これ。…ペンダント?」
那岐が不思議そうに私がかけたペンダントを持ち上げて言う。
「那岐…まだ今日が何の日か気づかない?」
「今日?…9月15日……あ。」
やっと気がついた様子の那岐に、私はそこに咲いていた桔梗を一本手折って那岐に渡し、微笑んで言う。
「お誕生日おめでとう。那岐。」
「千尋…」
那岐は、少し驚いた顔をしていたが、すぐに、微笑んだ。
「…ありがとう」
やっぱり、笑った那岐の顔が、私は一番好きだ…そう思った。
「…っていうかよく覚えてたね。僕の誕生日なんて」
「当たり前じゃない。何年一緒にいると思ってるの」
私はそう言うと、また花畑のほうに顔を向ける。
「ねぇ、那岐。」
「何?」
「私、来年も、再来年も…ずっと先まで、毎年一緒に、那岐の誕生日を祝いたい
。」
「千尋…」
「今までもそうだったし、これからも……。いい?」
私がそう言うと、那岐は、コツンと私の頭を叩く。
「何言ってるんだ。…駄目な訳、ないだろ」
「那岐…」
振り向くと、私の一番好きな、那岐の笑顔が見えた。
「…そろそろ、帰ろうか。」
「うん。」
「あ、那岐。お帰りなさい。…あれ、千尋はどうしました?」
天鳥船に戻った那岐に、風早から声がかかる。
「先に部屋に戻ったよ。」
「そうですか。…あれ。どうしたんですか。その花。」
那岐の手にある桔梗に気づき、風早は尋ねる。
「ああ…千尋がくれた」
「千尋が…そうですか。よかったですね。那岐」
何か意味ありげに笑う風早。
「…何その笑い。キモイんだけど」
「那岐、桔梗の花言葉、知ってますか?」
「そんなの僕が知るわけないじゃん。」
「……"変わらぬ愛"ですよ」
「……は?」
そういうと、風早はその場を立ち去る。
後ろで、那岐が赤くなっているのが、目に見えるようにわかったが、
知らないふりをした。
「変わらぬ…愛」
那岐は、一人、そうつぶやいた。
***
今までも、これからも
ずっとずっとそばで
明日も来年も、十年先も。
あなたを変わらず、想っているから−−…
-fin-
#あとがき#
とりあえず…
HAPPY BIRTHDAY 那岐!!
1日早いけれどもね。笑
実はちーちゃんが那岐にあげるプレゼントって何だろうとすごい悩みました。
友達に色々聞いて、まとめてこうなりました
ちなみにうちの桔梗はまだ全然咲く気配もございません。笑
というか、桔梗って一体いつ頃咲くのでしょう…?
秋の花ってことしか知らないんですわワタクシ
ま、そのへんは気にしない方針でお願いします!爆