”平和”

何度も何度も耳にした言葉。

私にとっての”平和”

それはあなたの隣にいられること。

それは幸せ。それは喜び。

だから私は歌います。

それが私にできる唯一の”平和”をしめすことならば・・

唯、歌います。今日も。

平和の歌・・・


**

平和の歌 -peaceful song-

**

キラは、皿を洗っている手をふと止めた。
「ラクス・・」
キラは水道を止め、リブングのソファに座った。

今日もラクスの部屋からは歌声が聞こえてくる。
キラはラクスの名をつぶやくと、瞳をとじた。
いつ聞いてもキレイなラクスの歌。
キラはしばらくそこで、その歌に聞き入っていた。

**

「ふぅ・・。」
ラクスは一通り歌い終えると、飲み物でも飲もうかと、リブングへ向かった。

「あら?」
そこにはキラが気持ちよさそうに寝入っていた。

「キラ?」
呼んでも起きない。疲れていたのだろう。
ラクスは優しく微笑み、キラに毛布をかけた。

”ピンポーン”

そのとき、玄関のチャイムが鳴った。
「こんにちは。ラクスさん」
「あら、ルナマリアさん。」
玄関に立っていたのはルナマリアだった。

「・・あら?シンさんは?」
「べ、別にいつも一緒ってワケじゃないですよ」
「・・また喧嘩でもしたんですの?」
ルナマリアは図星をつかれた、とばかりに赤くなった。
そのルナマリアを見て、ラクスはふふふ、と笑い、
「早く仲直りなさったら?」
といった。
「・・あいつが悪いんですもん・・。」
「まぁまぁ。とりあえず中へドウゾ」
「はい。」

**

「今、お茶でもいれますわね。」
リブングへと入ったラクスは、ルナマリアをキラの寝ているソファーに座らせた。
「あれ?キラさん寝てる?」
スースーと寝息をたてているキラを見て、ルナマリアは珍しそうな顔をした。
「ええ。先ほどからぐっすりですわ。きっと疲れていたんでしょう。」
「めずらしいですね。キラさんがこんな無防備に寝るなんて。」
「そうですわね。」
ラクスは台所に向かい、歌を口ずさみながら紅茶を煎れはじめた。

そのラクスの歌を聴いて、ルナマリアが口を開く。
「新曲ですか?」
「え?」
「いま歌ってたの。」
「ええ。先ほど出来上がりましたの」
まだ不完全なんですけど、とラクスは微笑む。

「すごいですよね。ラクスさんの歌って。」
ルナマリアがふとつぶやく。
「すごい・・ですか?」
「人の心を動かす力がある。・・それを歌ってるラクスさんもすごいわ」
「そうなんですか・・?ふふ。ありがとうございますv」
ラクスは嬉しそうに微笑む。
「はい。・・・もう一回・・歌っていただけますか?」
「ええ。もちろんですわ。」
ラクスは再び歌いはじめた。
ルナマリアは、そっと瞳を閉じ、それに聞き入っていた。

**
しばらくしてラクスが歌い終えると、ルナマリアは拍手をした。
「やっぱりすごいです。」
「ありがとうございますv」
ルナマリアはふぅ、とため息をついて、言った。

「・・私、シンに謝ってきます。」

ルナマリアは立ち上がった。
ラクスは唯、にっこり微笑んでいた。
「う〜・・?」
「あ、キラさん。」
「あら。キラ、すみません。起こしてしまいましたか?」
ルナマリアが立ち上がった振動で、キラが目を覚ましてしまったようだ。
「んー?・・あれ?え!?もう夕方っ!?」
「はい。キラ、ぐっすり眠っておられましたから。」
「あ!皿洗い!!」
「大丈夫です。やっておきましたから。」
「あー・・そう。ありがとう。」

そんなキラを見て、ルナマリアがふふふ、と笑う。
「キラさんでもこういうことあるんですね。」
「・・あれ?ルナ?来てたんだ。」
「なんですかソレ。ラクスさんしか目に入らないってやつですか。」
「え、いや・・そういうワケじゃ・・」
またしてもあわてふためいているキラ。そんなキラを見て、今度はラクスが笑った。
「ルナマリアさん。キラはこういうこと、よくあるんですのよ?」
「え!?そうなんですか?」
「ええ。キラは案外天然さんですから。」
「え?あ、ああ。そうなんですか。(・・・ラクスさんもかなり天然だけどね)」
「(・・・ラクスにだけは言われたくない・・)」
ピンポーン。
またしても玄関のチャイムが鳴った。
「あ、僕出るよ。」
キラは玄関へと駆けていった。

**
「はーい。」
ガチャ。
「・・あ、キラさん!ルナ来てますか?」
そこにいたのはシンだった。
「あーうん。来てるけど?」
「キラさん・・・」
「ん?」
「もしかして今まで寝てました?」
「え?うん。どうして?」
「・・寝ぐせ・・・」
「え?」
「寝ぐせ・・ひどいですよ?」
「え?え!?え"え"っ!?」
「まぁいいや。とりあえず上がらせてもらいますよ。」
「う、うん。」
シンはそそくさと靴を脱ぎ、中へ入っていった。
(キラは速攻で洗面所に直行したらしい。)←笑

**

「ルナ!!」
「シ・・シン!?」
ルナマリアは驚いた。
今から逢いにいこうとしていた人がそこにいたのだから。
「やっぱりココだった!!」
「シン・・なんで・・」
シンはすぅ、と息を吸って、言った。

「ごめん!俺が悪かった!」

「・・・え?」
「だから・・一緒に帰ろう?」
「・・っ・・シン!!」
ルナマリアはシンに駆け寄っていった。

**
「ご迷惑かけました。」
「いいえ。そんな。」
ラクスはにっこりと微笑み、
「お二人が仲直りされて・・良かったですわ。」
と言った。
「で、結局何でケンカしてたの?」
と、やっと寝ぐせが直ったキラ。

「「夕食のメニュー」」

「・・・・・・」
「・・・・はぃ!?」
キラは驚きが混ざった声でいった。
「・・・くだらなっ!」
と言った。まぁ、そうであろうが。
「まぁまぁ。ではお二人とも、今日はうちで晩御飯、一緒に食べません?」
ラクスが相変わらずにこにこしながら言った。
「わー!いいんですか!?」
「やったー!」
「じゃぁ、あとからまた来ますね。」
「はい。お気をつけて。」
「はい。」

二人が去っていった。

そして、キラはラクスに言った。

「ラクス・・」
「なんですか?キラ。」
「さっきの歌・・」
「ああ。あの新曲ですね。」
「もう一回歌ってくれる?」
「はい。喜んで。」
ラクスは今日3度目の歌を歌い始めた。
キラはまた、黙って聞き入っていた。

しばらくしてラクスが歌い終えた。
するとキラは目を開け、微笑んだ。
「やっぱり・・ラクスの歌はすごいね。」
「・・さっき、ルナマリアさんにも同じコトを言われましたわ。でも・・」
「でも・・どうしたの?」

「私は・・キラと一緒に居られる幸せを歌っているだけですわ。」

すこし頬を赤らめて、ラクスは言った。
キラはすこし驚いたような顔になった。

「私にとっての”平和”は、キラの隣にいらせることですから。」

「・・ラクス・・」

ラクスは今日最大の笑顔になって、

「いつもありがとうございます。キラ。」

「・・ラクス・・僕も・・ありがとう。」

二人は、顔を見合わせて微笑むと、

「あ、夕飯の支度がありますわ。中へ入りましょう。」
「うん。」
家に入ってい・・こうとしたそのとき。


あー!キラーー!ラクスーー!

カガリの声がした。

「カガリ!?」
「カガリさん。どうなさいましたの?」

カガリは二人のところまで走ってくると、はぁはぁ言いながら口を開いた。
「聞いてくれよ!アスランってば、私のアイス食ったんだ!!
「はぁ!?」
キラがマヌケな声をあげる。

「・・・で、ケンカしてここに来たってワケ?」
「あれ。よくわかったな。」

「・・・(アホなカップルがここにも・・)」

キラはあきれてものも言えなかった。
そのとき、また声がした。

「おーーーい!カガリーーーッ!!」

声のほうを振り向けば、アスランがこちらにむかって超速急で走ってくる。

「迎えに来るの早ッ!!」

思わずツッコミを入れたキラ。

アスランは、カガリの前で急ブレーキをかけると、
「カガリッ!俺が悪かった!許してくれ!!」
「アスラン・・」

「・・(こんな簡単に仲直りできるならケンカなんかするなよ・・)」
キラは目の前のバカップルをあきれながら見つめていた。

「さ、帰るぞ。」
「うん。迷惑かけたな。キラ。ラクス。」
「いいえ。そんなことありませんわ」
「う、うん。(・・とんだ迷惑だよ。)」
「あ、そうですわ。カガリさんたちも夕飯、ご一緒しません?」
「え!いいのか?!ラクス。」
「ええ。もちろんですわ。」
「じゃぁ、お言葉に甘えさせてもらいます。ラクス。」
「ええ。」
「やったー!じゃぁあとから来るな。」
「はい。お待ちしてますわ。」

***

「あー!アスラン!それ僕のー!!」
「知るか!早い者勝ちだ!」
「ずるいー!!」
「ずるいもクソもあるかッ!・・・あ、シン!それは俺のだ!!」
「早い者勝ちなんでしょー?」
「くっ!!」
「あっ!キラ!それは私のだ!!」
「早い者勝ち早い者勝ち。」
その日、ヤマト邸の食卓は、たいそうにぎやかだったそうだ。(ある意味で。)


キラは、さりげにラクスのほうを見た。
ラクスは、「キラ対応用スマイル」で微笑んだ。(笑
それを見たキラもまた、微笑んだ。

そのとき、カガリが口を開く。
「そうだ、ラクス。新曲できたんだって?」
「ええ。」
「歌ってくれよ。」
「いいですわよ。」


夜の食卓に、キレイで、清楚で、幸せそうな歌が響いた。


そう、

平和の歌が―――・・・・


                        〜fin〜



**あとがき**
うわぁ〜・・・
どうしよう。こんな変なもの書いちゃったよ・・
真面目に書くつもりだったのにこんなのになっちまったよ。
これは、お友達、風羅ことはの誕生日祝いに書きました。
リクエストは「メインはキララクで、シンルナ・アスカガ同時進行」ということでした。
でも・・アスカガ少ねぇー!というかあるうちに入るのか!?
それよりなにより・・
『キラ対応用スマイル』って・・・!!(笑
まぁね。まぁたしかにそうだろうよ。そういうことで!(ぇ
では、ことは、かなり遅れてゴメンネ;;こんなものですみませんがもらってくださると嬉しいです。