蒼穹に散っていった・・

悲しみが残った
絶望が残った
涙が残った
叫びが残った
”必ずまた、お前のところへ”
その言葉が、胸に残った――

最後のそれは
優しかった
暖かかった・・

キミがその暖かさに帰ってくるというのなら
僕は待とう。
キミがまたぬくもりを灯すのであれば
いつまでも待とう。

この蒼穹(そら)の下で
キミと過ごしたこの場所で―――・・

++

=Reunion=

++

「ふぅ・・」
一騎は、浅くため息をついた。
「どうしたの?一騎くん。」
真矢が、心配そうに声をかける。
「いや・・何でもない・・」
一騎は、真矢に向かい、微笑んだ。
真矢もつられて微笑い、それならいいけど、と続けた。

二人は無言で歩き続けた。
そして、しばらくして足を止めた。
真矢はしゃがみこみ、優しい顔になって、言った。

「来たよ。翔子。」

その真矢を、一騎は無言で見つめた。
そう。今日は翔子の命日。二人は、羽佐間の墓の前にいるのだ。

やがて、一騎もしゃがみこみ、同じく優しい顔になって、言った。
「久しぶりだな。翔子。」
そして、顔の前で手を合わせた。

二人はしばらく、そこでそうしていた。
しばらくして、真矢が口を開く。
「もう・・4年たつんだね・・」
「ああ・・」
そのままの姿勢で、一騎は答える。
「早いね・・」
「そうだな。」

一騎の脳裏に、一人の人物が浮かんだ。
長髪の・・大人びた物腰の少年・・
――皆城総士・・・
あの日、散っていった・・自分の大切な親友。

「・・皆城くんのこと考えてるの?」
「え、あ・・いや。」
とっさの問いに、一騎は図星をつかれたとばかりに慌てふためく。
その一騎をみて、真矢はふふふ、と笑った。
「一騎くんってわかりやすいんだから。」
「・・からかってるのか?遠見。」
「ええー別にー?」
二人は顔を見合わせて、笑った。
そして、また前を向いた。

「きっと・・」
「ん?」
「きっともうすぐだよ。皆城くん、もうすぐ戻ってくるよ。」
「・・ああ。そうだな。」
真矢は、すっと立ち上がると、
「もうそろそろ帰ろうか。」
といった。
「ああ。」
「翔子。また来るね。」
一騎も立ち上がり、二人は、もときた道を戻っていった。

***

「ありがとう。送ってくれて。」
「ああ。おやすみ。」
「おやすみなさい。」
真矢を送ったあと、一騎は一人、家路を急いだ。

そのときだった。
「一騎・・?」
聞き覚えのある声がした。
思わず振り返った一騎は、驚いた。

「甲・・洋・・?」

そこには、かつて自分が助けられなかった人がいた。
同化されて、苦しんで、苦しんで、最後に消えた少年――・・
自分と同じパイロットだった、春日井甲洋。

「一騎なんだな?」

少年―甲洋―は、嬉しそうな表情を浮かべる。
「甲・・洋?甲洋なのか?本当に?」
一騎は、信じられない、といった表情で、甲洋のそばに歩み寄る。
「ああ。俺だよ。」
甲洋は、にっこり微笑む。
一騎は、甲洋の前まで来ると、少し震える手で甲洋に触れた。
「いる・・いるんだな?ここに。甲洋。」
「ああ。いる。俺はここにいる。」
一騎も、つられて微笑んだ。
二人は笑いあった。瞳には、すこし涙がにじんでいた。

「一騎。」
「ん?」
「俺だけじゃないぜ?」
「え・・?」
「あそこ、見てみろよ。」
甲洋が指差した先は、海岸。
そこに、一騎が見たのは、

長髪の、少年。

「総・・士・・?」
「ああ。総士だ。」
「なんで・・・お前ら・・」
「・・行ってやれよ。総士のやつ、ずっとお前のこと気にしてたんだぜ?」
「・・・」

一騎は無言で駆け出した。海岸を目指して・・


**

「総士!!!」
海岸についた一騎は、大きな声で、叫んだ。
その声を聞いて、総士は驚いた顔で振り向く。

「・・一・・騎?」

一騎は、それが総士であることを確認し、走り出した。
「総士っ!!!」
「一騎!」
総士もまた、走り出した。
ただひたすら名前を呼んで。

一騎が、総士に飛びつく。
総士は優しく受け止めた。

「総士ッ!!!」

その瞬間、一騎の瞳から、こらえていた涙が零れ落ちた。
総士は、そんな一騎を、なおも強く抱きしめる。

「お前・・っ!ここに・・いるんだな?」
「ああ。ここにいる。僕はここにいる。一騎。」
「幻じゃ・・ないんだな?もう・・消えない・・?」
「ああ・・消えない。・・ただいま。一騎。」
「おかえり・・っ!総士・・っ!!」

総士の瞳からも、なみだがこぼれだした。
二人は向かい合い、笑いあった。



***

「ん?」
「どうした?咲良。」
咲良と剣司は、歩いていた足を止めた。
この二人もまた、翔子の墓参りの帰りだった。

「あれ・・」
咲良は、海岸を指差す。
その方向を向いた剣司は、驚きに近い声をあげた。
「あれって・・まさか!」
「・・・総士・・」
二人はしばらく呆然としていた。
剣司が口を開いた。
「行こうぜ。」
「え?」
「あそこ。」
「えぇ!?」
剣司が指差したのは海岸。
咲良は、何考えてるんだよ!と小声で叫んだ。
「いいじゃん。おー・・・」
ガシッ
声をあげようとした剣司は、後ろから誰かに掴まれた。
「・・んだよ!誰だよっ!」
「・・そっとしといてやれよ。」
その声を聞いて、剣司は暴れるのをやめた。
「・・お前・・」
「甲・・洋?」
「久しぶり。剣司、咲良。」
「・・お前・・なんで・・」
甲洋は、剣司の肩を掴み、言った。
「ま、話はあとにして。とにかく、あいつらは今は二人にしとこうぜ。総士のやつ、ずっと一騎のこと気にしてたからな。」
「あ、ああ・・」
「さぁ、行こうか。」
甲洋は剣司と咲良の背中を押した。
「行くって・・」
「ま、いいからいいから。」
3人の影は、夕闇の中に消えていった。

***

「帰ろうか。一騎。」
「ああ。総士、うちに来いよ。」
「え?」
一騎は、総士のほうを向いた。
総士もまた、向いた。
「父さんのことなら心配することないよ。」
「しかし・・」
「またアルヴィスの中に住むのか?」
「それは・・」
「いいから!行こうぜ!総士!」
一騎は、半ば強引に、総士を家に連れて行った。

「総士」
「ん?」

「これからは・・ずっと一緒だぞ・・?」

「ああ。」


***

哀しみが残った・・あの日・・

失った、あの日。

そして、

取り戻した、今日。

もう失くしたくない。いや。失くさない。

キミがいるなら、強くなれる。

また・・出会えたから・・

暖かい・・・

優しい・・・

この蒼穹(そら)のしたで・・

この・・場所で・・


                            〜fin〜





**あとがきと書いて言い訳と読む。**

あーあ・・書いちゃった。ついに書いちゃったよ。BL。
もうそろそろヤバイとは思ってたけど・・ファフナー見て溢れました。
一騎×総士大好きっ><最高↑↑(一騎×真矢よりも好きvv)
なんで甲洋が出てるかというと・・私が甲洋大好きだからvv(ちなみに剣咲も)
多分、甲洋は一番かわいそうな子だったんじゃないかと。
燈火-ともしび-は、かなり泣けましたTnT
ま、これは日記で語るとして。
この小説は・・ですね。いわば私の願望ですね。一騎と総士は再会する運命なんです!!
reunionです!reunion!!ってこの題名・・単純すぎないか?(直訳で再会です)
両脇の「=」は特に意味はありません。(笑
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました